シネマ・ジャンプストリート 映画のブログ

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

65『カーズ/クロスロード』確かに繋がれてる想い

子供向け?いんや、大人向けでもあります!

ピクサー18作目は、大人気シリーズ3作目!
カーズ/クロスロード』



~あらすじ~
迷い込んだ田舎町ラジエーター・スプリングスで、ドック・ハドソンをはじめとする心優しい仲間との触れ合いを経て、自分勝手だった性格を改めたスポーツカーのライトニング・マックィーン。目覚ましい活躍を見せてきたマックィーンだったが、最新型レーサーが次々と台頭してきて苦戦を強いられる。いつまでも第一線にいたいという焦りに駆られたマックィーンは、ある日レース中にクラッシュ事故に遭遇。運にも世間にも見放され、頭の中に引退という文字がちらつき……。
(シネマトゥデイ引用)








☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
マックイーンが帰ってきた!!
ピクサー・アニメーション・スタジオの第18作目にして、「カーズ」シリーズの第3作目。
あーピクサーね。面白いのは間違いない。
そんな理不尽きわまりない状況で、初監督を務めるのはストーリーボート・アーティストであったブライアン・フィーさんです。

シリーズ一作目と二作目の監督であったのは、ミスターピクサーこと、現ディズニーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのジョン・ラセター。
「トイストーリー」の空前の大ヒットに乗って2006年に公開された「カーズ」一作目。
何故王道は王道なのか、その大切さを確信させるピクサー屈指の快作でした。
(今作は、一作目を見ている事が絶対条件になってます。)
一方で、2011年に公開された「カーズ2」は、まるでスパイ映画ばりなは娯楽的要素を追求するあまり、ピクサー作品としてはびっくりな内容の薄い作品になってしまっていました...
そんなスパイテイストから、新監督のブライアン・フィーはドラマ路線に回帰。
「新たな存在の台頭」という、誰しもが避けられない命題に、自らの立場を重ね合わせるように描いています!


すっかりベテランとなり、レース界のスターとして輝きまくるマックイーンとそのライバル達。
しかしそんな中、最先端なレーシーングカーが次々に登場、次世代の波が押し寄せ、マックイーン世代は続々と現役に幕を下ろしていきます。
奮闘するマックイーン。
しかし、以前のように勝てない彼は、無理なドライビングにより大クラッシュを起こしてしまいます...

食らいつくべきか、道を譲るべきか。
そして、いかにして立ち上がるべきで、いかにして退くべきか。
本作では、そんな誰しもがいつかは向き合わないといけない、人生の岐路における選択を問いかける、大人目線のテーマが内包しています。


では、子供は楽しめないのか?と言われれば、決してそんな事はありません。
一作毎に迫力を増すレースシーンはもちろん、今作も外せないのはマックイーンをとりまくカーズの面々。
メーターやサリー、ルイジにグイドといったラジエーター・スプリングスの住人や、スティーズの二人といったお馴染みの面々はもちろん、新たなキャラクターを含めて、個性豊かな賑やかさに飽きる事はありません!
悩むマックイーンの背中を押し、力となる...様々な仲間達がストーリを動かすのも、カーズ最大の魅力の一つです。


キャラクターについて書くのであれば、今作で切り離せないキャラクターが2台?2人?います。
まず1台目は、黄色が一際目立つ2ドアクーペのクルーズ・ラミレス
レーシング・センターで働く若手女性トレーナーの彼女は、マックイーンのトレーニングパートナーとして行動を共にします。
マックイーンとラミレスがぶつかりながら、互いに理解・成長していく...
今作は正真正銘、王道バダィムービーなのです!


そしてもう1台が、マックイーンの師匠ドック・ハドソン
一作目でマックイーンの性根を叩き直した師匠ですが、二作目前に老衰で亡くなっていました。
つまり今作でドックはストーリー上には一切登場はしないのですが、最大の存在感を放ちます!
マックイーンと同じく大クラッシュにより、自らの意思に反して引退に追い込まれたドック。
そんな師匠の姿と、マックイーンは自らを度々重ね合わせ、嘆くのですが....
ラミレスと共に訪れた、ドックの故郷。
そこで気づかされる彼の生きた道と抱えていた想いに、涙が止まりません。
自分の中に彼の魂が生きているんだ!

そしてこの映画、その気づきを更にもう一歩進めるのが、おそろしく偉い所。
ネタバレ厳禁で、具体的には絶対に言えないのですが...
ざっくり言いますと、この映画のテーマに対する最大のアンサーが、ラストの驚きの展開で表面化します。
その瞬間、この映画は、確かに「それ」をずっと描いていた事に気付かされます。
いつの間にか、どんな道にいても前を向きたい...そう思えるようになっていました。


さすが、ピクサー。
そこまで描いちゃうか...
なんて内容なのは確かにそうなんですが、他のピクサー作品に比べると、脚本事態からスキがあり、どうしても突っ込みたくなります。

一番納得いかないのが、この映画事態に理論や根拠が欠落している事です。
「テクノロジー」か「ノウハウ」という形だったはずの新世代との対立軸。
「テクノロジー」と「ノウハウ」の融合で乗り越えるのかなと思いきや、たどり着くのは原点への立ち還りのみ。
テクノロジーは完全無視?それじゃ結局限界があるのでは?
何故その練習で早くなるのか、何故テクノロジーを上回るかの根拠が、作中からは全く見えません。
それにいつの間にか、勝てなくなったのは「年齢」のせいにすり替わっていくのもスッキリしませんでした。








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  1. 2017/07/28(金) 12:47:33|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:14
  4. | コメント:1

65『銀魂』 かぶと狩りじゃぁぁぁぁ!!!

再現度抜群のオールスター祭!

同名大人気漫画の実写映画化
『銀魂』



~あらすじ~
宇宙から襲来した天人(あまんと)に支配され侍が衰退した江戸時代末期、いまだに侍魂を堅持する男・坂田銀時(小栗旬)は、廃れた剣術道場の息子・志村新八(菅田将暉)や、戦闘種族である夜兎(やと)族の少女・神楽(橋本環奈)と共に万事屋を営んでいた。江戸では、謎の妖刀を使った辻斬りが横行し、銀時の旧友である攘夷志士・桂小太郎(岡田将生)がその凶刀に倒れ、行方不明になり……。
(シネマトゥデイ引用)








☆☆☆☆☆☆(65/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)

かぶと狩りじゃぁぁぁぁ!!!

週刊少年ジャンプで2002年から連載をスタートし、今尚人気を博し続ける空知英秋さんの同名漫画を実写映画化!
「天人に支配された幕末」という壮大な設定に、ドタバタコメディとチャンバラアクション、そして人情ドラマを組み合わせた、他に類をみない原作漫画。
私自身が大好きな漫画だからこそ、邦画という枠組みの中では、ぶっちゃけ相性が悪そう...なんて勝手ながら不安視していました。

そんな中で、『勇者ヨシヒコシリーズ』の福田監督や、小栗旬はじめとするよろず屋に新撰組、攘夷志士の面々を演じる役者陣が続々と発表され、テンションは日に日にヒートアップ。
不安はありながらも、ギャラクターの再現度を徹底しつつ、和製『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』みたいなバランスになっていれば最高だなーなんて期待を膨らませて鑑賞しました!



鑑賞後のテンションはどうかというと、全面的に大肯定「したい」、そんな感じです。
というのも、ちゃんと銀魂をしてる要素が大半を占めていて、それでいてちゃんと映画している...それだけで感謝が尽きません。

まずは、冒頭のかぶと狩りエピソードから、ギャグを使った一連のキャラクター紹介の驚くべき巧さ。
単発のギャグに終始するのではなく、それがキャラクターやストーリーの血肉となり、世界観を説得力のあるものにする。
そんな「映画的」としか言いようのない導入部に、まずテンションがガン上がり。
このプロットがしっかりしているからこそ、今作のコメディパートには一切安っぽさを感じません。

また、掘り下げ方が巧みでも、ベクトルが間違えば全く別の映画になってしまうところ、
本作はめちゃくちゃ『銀魂』を感じます。
銀魂らしさとは何か?そんなエッセンスを徹底的に抽出したのでしょう。
豪華さだけでない配役と、
衣装デザイン含めたキャラクターの投影、
そして彼らが発するギャグと間。
今まで見てきたどのSF漫画の実写化よりも、ギャラクターと世界観の再現性が極めて素晴らしい!

特に気に入っているのが、巨大犬定春がCGなのに、謎のペットエリザベスは着ぐるみというアイデア。
苦し紛れに見えるこのアイデアと活かし方が、まさに銀魂らしさとして回帰し、もうこれ大正解でしょ。
銀魂らしさの抽出と巧みな世界観の紹介プロットにより、漫画の再現度抜群の世界観と、嘘っぽくなさを両立した、邦画としては極めて稀な作品になっています。

もちろん、肝心のギャグ自体も流石『勇者ヨシヒコシリーズ』の福田監督、決して外すことはしません。
銀魂十八番のパロディネタと下ネタはもちろん、そこに俳優自身をいじるギャグまで上乗せ。
某スタジオネタや、被り物ネタと、そこに対する新八のツッコミ含め、完全オリジナルギャグこそがもうめっちゃ銀魂!



そんな訳で、感謝以外の言葉が出てこない...
そんな筈なんですが、一本の映画として見た時にはやはり不満も言いたくなる...

その不満は、銀魂らしさの一つでもあるはずのシリアスシーンにのみあります。
キャラクターの語りがストーリーを止める、状況を無視して語りが優先されるという邦画の典型的なダメさ。
敵がご丁寧に待ってくれる優しさよ...
ギャグなのかよくわからない、大声キャラも結構邪魔に。
作品がシリアスに転調していくほど、コメディでは肯定していた世界観の嘘っぽさが増長していきます。
そんなシリアス部分が、映画内で結構な割合を占める為、見終えた直後は感謝を忘れていたのが正直な所です。




ともあれ、特にコメディパートは、ギャグのキレ×原作らしさ×映画的なルックを両立した素晴らしい出来栄え。
豪華キャストのオールスター祭り、銀魂ファンならずとも見て損はないはず!!



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  1. 2017/07/22(土) 16:37:48|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:6
  4. | コメント:0

85『ジョン・ウィック:チャプター2』アクション萌え

狙われたなら...容赦なく殺し返す!?

もはや風格すら出てきたシリーズ2作目
『ジョン・ウィック:チャプター2』



~あらすじ~
リベンジから5日後、伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)はイタリアンマフィアのサンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)から新たな殺人を依頼される。殺し屋稼業から足を洗い静かな生活を望むジョンは断るが、サンティーノによって思い出深い家をバズーカ砲で木っ端みじんにされてしまう。さらにサンティーノに7億円の懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋のターゲットとなり……。
(シネマトゥデイ引用)







☆☆☆☆☆☆☆☆(85/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)

舐めてた奴の愛犬殺したら、実はマフィアのボスの父すら怖れる化け物だった物(なんじゃそりゃ)の、一作目『ジョン・ウィック』レビューはこちら

今作も前作に引き続き、監督はチャド・スタエルスキーさん。
主演はもちろんキアヌ・リーブス。
殺し屋御用達のコンチネンタルホテルの従業員としてイアン・マクシェーンやランス・レディックも前作に引き続き出演。
更にはリッカルド・スカマルチョやコモン、ルビー・ローズが、キャラの立ちまくった新たなマフィア、殺し屋、刺客を演じます。



「舐めてたヤツが、実は殺人マシーンでした物」(ギンティ小林さん命名)
スタイリッシュ編として、キアヌ復活を印象付けた前作。

悪いヤツが悪い事をした結果、死ぬ程後悔する(で、死ぬ)形は、
問答無用で「ざまぁ!」と思える、B級映画の一つフォーマットとして定着しつつあります。
しかし続編となると、同じ人で、同じ設定で、同じ事やられても...と、なってしまう事が多かった。
もしくは、思ってたのと違う!と憤慨してしまうか。
この喉から手が出る程手を出したい甘い汁。
今作は冒頭の掴みにしか活用せず、
ちゃんと次のステージ『チャプター2』へ話を進めた、最高の快作になっています!!



前作で愛犬を殺され、最強の殺し屋にカムバックしてしまったジョン。

復讐を完遂し、亡き妻との思い出が詰まったよ我が家へ、新しく買った愛犬の待つ我が家へ、帰宅します。
「ようやく安らな生活へ戻れる」
なんて思っていたら、
家大爆発。
愛犬はなんとか助け出すも、亡き妻との思い出は消滅...

さあ復讐開始だ!
というわけにはいかないのが今作。
爆破張本人のサンティーノとの間にある「血の調印」により、
殺せないどころか、頼みは絶対に聞かなければいけない。
これにより、ジョンは再び暗殺者として、別のマフィア暗殺の依頼へ。
一作目での殺しが、再び彼を殺しの場へ戻す...辛すぎる負のループです。


今作のターゲットはマフィア...でも、このターゲットに恨みなどないし、溜飲が下がるような相手じゃないよな...
なんて思っていると、ここからの展開がめちゃくちゃ面白い!

復讐を狙うマフィアの側近。
「血の調印」を終えたサンティーノの一族。
そして、サンティーノがかけた懸賞金目当てで集まる腕利き殺し屋。
ジョンを狙う暗殺者が連鎖する形で増えていき、
少し移動すれば撃たれる刺される状態にまで至ります。


しかし、彼は諦めません。
殺しにくるヤツ、全員殺す。
サンティーノに関してはこちらから殺す。

全ては自由の為に。



殺し、復讐なんて書いてるので、怖いの?重たいの?と思う方、
全くそんな事はありません!
前作も素晴らしかったエンターテイメントなアクションの見せ方ですが、
今作は一段も二段もレベルを上げています。

まず、前作以上にキレキレな新格闘技ガンフー
ちなみにガンフーとは、
[拳銃(GUN)とカンフーの造語。
視野を確保する銃の構え位置や、二度三度銃弾を必ず撃ち込む容赦なさなど、実用性と格好良さを併せ持つ。]
なんという映画向きの格闘技を開発したんだ...
そして、今作はガンフーだけではありません。
カーフーや、ナイフーも。
なんだそれ?って思う方、是非劇場で。


また、アクションの中での、ファムファタール的存在との関係性萌えが最高なんです。
多彩で新鮮なシチュエーションアクションと、暗殺者同士の滲み出る関係性が相まって、もう本当ご馳走さま。
そんなアクションが、見た事ない密度と速度とバリエーションで注ぎ込まれるので、加点式だと無限点出ちゃってます。
ハラハラドキドキではなくて、カッコ良く(時にはバカっぽくて)ニヤニヤしてしまうアクションてしては、もうこれ完成形でしょ。
電車内やライブ、美術館など最高だが、個人的には、駅内でのサプレッサー銃を使った撃ち合いに大爆笑。
「あのシーン最高~」が多く、朝まで語り明かしたい!


後はコンチネンタル・ホテルの存在ですよね。
このホテルの謎の権力と掟。
ホテルでの殺し=殺し屋組合からの脱退&処刑リスト!?
この設定が、アクションでの関係性の楽しさを、一段も二段も持ち上げているのは間違いなし。
バーのシーンは、次作も...やって欲しいなー


他にも、キアヌは絶対に一般人殺さないの偉い!
とか、
ニューヨークの殺し屋とマフィアの多さ!
とか
次作どうなんねん!
とか、
色々語り明かしたい。



なんかもう007的な風格すらあるシリーズ。

是非劇場で見てください!!!




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  1. 2017/07/13(木) 23:23:58|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:13
  4. | コメント:0

60『メアリと魔女の花』中身があればきっと...

スタジオジブリの名を捨てて...

米林監督の最新作!
『メアリと魔女の花』



~あらすじ~
無邪気で不器用な少女メアリは、森で7年に1度しか咲かない不思議な花“夜間飛行”を見つける。この花は、魔女の国から盗み出された禁断の花だった。一夜限りの不思議な力を得たメアリは、魔法大学“エンドア”への入学を許されるが、あるうそをついたことから大事件に発展してしまい……。
(シネマトゥデイ引用)






☆☆☆☆☆☆(60/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』の米林宏昌監督の最新作。
一時、制作部門が打ち切られたスタジオジブリを飛び出し、同じくジブリ畑出身の西村プロデューサーが新設したスタジオボノックでの長編第1作。
将来のジブリを担うと言われた二人が、『思い出のマーニー』以来、志同じく再度タッグを組んだ作品です!
「宮崎駿監督、高畑勲監督、そして鈴木敏夫プロデューサーのスタジオジブリ」という頼もしい看板と半端ない重荷を下ろした事が、はてさてどのような影響を与えるのか...


まず文句付けようがなく素晴らしいのが、冒頭の映像と音楽の格好良さ!
小さな若い魔女が、何かを組織から盗み、見た事のないルックの追手から箒一本で逃げる...
画の美しさは完全にジブリのそれで、加えてある地点からジブリの中ではストップしていた画面全体からにじみ出る躍動感が全開。
ジブリを支えたアニメーター米林さんの真骨頂が前面に出た掴みは、本当に最高。
この後のストーリーに只ならぬ期待を抱いてしまいます。


「何者かになりたい」
今作はそんな想いを持つ少女メアリの物語です。
好奇心から何にでも考えなしで飛びついては、失敗を繰り返す彼女は、特異な見た目も重なって、「自分には何もない」という劣等感を持っています。
そんな彼女のバックグラウンドを周囲との交流を通して描きながら、「夜間飛行」という強力な力を宿す花との出会い、そして勘違い!?による魔法学校への入学へと展開していきます。


魔法学校で出会った校長や教授から、これまでは劣等感の源ですらあった彼女の見た目や、偶然手に入れた才能が、
「天才の証」としてもてはやされ、メアリは最高に有頂天になります。
しかしそれら賛美対象は、あくまで表面上の物でしかありません。
彼女への賛美や、魔法や科学技術に対する執着から、私達は次第に圧倒的な違和感を感じ始めます...


メアリが手に入れた魔法。
それは、いずれは消えてしまう、儚い偽物です。
そしてそんな魔法そのものも、科学技術同様に手段でしかありません。

人は魔法や科学技術という見せかけに、魅了されたり、呪われたり、囚われたりする...
しかし大切なのは、何を成すかという中身です。
想い(中身)を伴わせながら、一時の魔法(外身)を利用し、劣等感(外身)を乗り越えていくメアリの姿が
ジブリといういつかは溶ける魔法を利用しながらも、最も大切な中身を見失わずに、ジブリの呪いを超えていこうとするボノックの姿に重なります。


このように、宮崎駿の代表作の一つである「魔女」の土俵で、スタジオボノック自らの姿を描こうとした点は評価すべきなんだと思います。

しかし残念ながら...
今作の姿勢とは反対に、面白さや出来ばえという作品としての中身が伴っていないように感じました。
(好意的な意見の方、すみません!!)

1番気になったのは、作品のリアリティラインに対しての「それってどうなの??」なミスマッチの多さです。
メアリの脳筋な行動にくらべて、動物が異常に賢かったり。
校長凄いはずのに、間抜けすぎたり。
一人能天気な狸おじさんがいたり。
学校でのその他大勢感が凄かったり。
ウェルダンな話だからこそ、重箱の隅が大切なのですが....
このせいで、物語が非常に薄っぺらくなってしまっています。

また、上記でメアリの姿がスタジオボノックと重なると記載しましたが、それが物語の描くべきテーマより前に出ているのも問題です。
魔法の力は借りる。
だけど本筋(中身)は見失わない。
この両面性自体はボノックと重なって良いのですが、そこにメリハリなく終始しているせいで、何が言いたいのかテーマが全く見えなくなってしまっていました。

これら全体コーディネートが素晴らしかった初期宮崎駿作品に対し、今作はどうしても「アニメーションと世界観(のようなもの)」だけがジブリっぽい...
厳しく言うならば「中身」が大切と歌いながらも「外身」だけの作品になってしまっているように感じました。




ともあれ、今作もアニメーションは問答無用で素晴らしいですし、作品自体良い所も多く有ります。

ここまで批判的に言ってしまうのは期待しているからなんです!
純日本産ジブリの魂を受け継ぎながら、新しい物を作ろうとしている事だけでも、本当はありがたい。
米林宏昌監督の作家性が発揮される次回作を、楽しみにしています!!
絶対に再び見に行きます!


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  1. 2017/07/10(月) 23:48:31|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:11
  4. | コメント:0

85『ハクソー・リッジ』グゥの音も出ない正しさ

メル・ギブソン監督最新作は、戦争映画の新たな鉄板!

『ハクソー・リッジ』



~あらすじ~
第2次世界大戦中、デズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺してはいけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議にかけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力により、デズモンドは武器の携行なしに戦場に向かうことを許可され……。
(シネマトゥデイ引用)







☆☆☆☆☆☆☆☆(85/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)

メルギブソン監督の最新作!

あの『アポカリプト』以来、約10年ぶりに映画監督として帰ってきました。
おかえり、メルギブ。
世界中の映画ファンの願いは、もっともっとメルギブ監督作品を見たいはず...
変な問題はもう起こさないでおくれ...

問題児でありながら、超優等生な映画人の最新作。
第二次世界大戦で最大の難戦場とも言われる沖縄前田高知での壮絶な激闘において、狂ったように誰一人殺さず救い続けた衛生兵の実話の物語です。


この映画は、後半の壮絶な戦争シーンが取りざたされていますが、前半部の丁寧に積み重ねていくドラマパートがあってこそ。

「汝、殺すべからず」
これ自体は当然の事だが、戦争を始めとするあらゆる不条理の前では、この考えは以外と脆い。
狂気と呼べるレベルまで頑なに守り続けていく信念、そしてその強さを創り出す源の信仰。
デズモンドはいかにその境地に辿り着いたのかのエピソードから始まり、
「人を殺さない」信念とは正反対であるはずの軍隊に、何故自らの入隊したのか...
伴侶となる女性との出会いや、両親が抱える戦争への闇など、戦場シーンがあるなんて事を忘れるほど、丁寧なドラマが進行していきます。


この段階では「戯言」、「綺麗事」であった彼の信念ですが、
中盤の『フルメタル・ジャケット』ばりな軍事訓練で、周りにいびられ、軍曹にこっ酷く怒られようが、決して銃を「持ちすらしない」彼の執拗さに、見ている我々も「戦争に行くのにどうかしている...」、彼が間違っていると思わざる得なくなってしまいます。
軍の統率も取れなくなるし、上官としてはたまったもんじゃないですよね。
(ここで生まれる視点が、最終的に溜飲が下がるのに効いてくるのだから...凄すぎる!)

銃すら持たない彼は、当然軍から排除されそうになる訳ですが...
父子の物語として、クライマックス級に熱くなる展開。
進むべきでない道だろうが、覚悟を受け入れ、背中を押す事が、最大の愛情だったりする。



そして、後半はいざ戦場へ。
断崖絶壁ハクソー・リッジを登った直後、急に開始のゴングが鳴ったかのように飛び込んできた映像が、本当きつかった...
「さあ、ここから先は、ただの殺し合いだぞ」と。

高地で行われる戦闘という事もあり、戦車も使えず、軍の統率もとりにくく、敵味方入り乱れた乱戦になっていきます。
前半で丁寧に描写された仲間が、上官が、残酷に破壊されていく様子が余りに強烈...
下半身が爆破されて助けを求める人なんかを見ると、父親が出兵前に言っていた「簡単に死ねると思うなよ」という言葉が脳裏に浮かびます。
そんな戦争の中で、多少の装備の意味のなさを痛感するのが、銃弾がヘルメットを貫通して脳天を撃ち抜くシーン。
聞いた事がないような「キーン」という響く音が印象的で、それは最後まで頭から離れません。


そんな人を殺す行為を正当化する戦争の中で、デズモンドは驚くべき信念を体現していきます。

絶望的な状況にいる怪我人も見捨てず、ひたすら手当をして、ベース地点へと送り返す...
それはまるで狂気に満ちたように。
あまりに命が消費される現実を前に、無力感から一度は信念が揺らぎますが、助けを呼ぶ声が彼の信念を盛り立て、そして奇跡を起こし始めます。
どんな映画もそうだが、人が英雄たり得る瞬間は、敵を殺す行為ではなく、人命を救う行為のみ。
そんな圧倒的な正しさを、圧倒的な説得力を持って描かれるのだから、ぐうの音も出ません。



今回、多くの残酷描写に関わらず、PG-12に留めた映倫の仕事は、本当称賛に値します。
中高生こそ、何かを感じ、トラウマとするべき、そんな映画です。

アラサーの私も考えざるえない物が多くありました。
一見するの正しく見える世論や周囲の声。
いくら甘いと言われようが、綺麗事こそが理想で、それを主張する勇気が必要なのかもしれません。
攻撃されそうだから攻撃する?
そんな戦争の論理冗談じゃない。
今の情勢に対しての、見事なカウンターパンチだと感じました。

また、宗教がもたらす強さ、あやうさも非常に考えさせられました。
最も尊い行為に対して、強い助けとなり得る宗教も、捨てたもんじゃない。
しかし一方で、一方通行の正義に対しても強さを与えてしまう...
複雑ですよね。



戦争の圧倒的な不条理さを描きながらも、でも信じていたい正しさを描く。
戦争映画の新たな鉄板を、是非劇場で!!




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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2017/07/01(土) 16:56:05|
  2. 2017年公開映画
  3. | トラックバック:11
  4. | コメント:2
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