シネマ・ジャンプストリート 映画のブログ

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

85『search/サーチ』下半期ベスト?

ジャンル映画の設定を使った本格サスペンス!

『search/サーチ』



~あらすじ~
ある日、デビッド(ジョン・チョー)の16歳の娘マーゴットが突然姿を消す。行方不明事件として捜査が行われるが、家出なのか誘拐なのか不明のまま37時間が経過する。娘の生存を信じるデビッドは、マーゴットのパソコンでInstagramなどのSNSにログインする。そこで彼が見たのは、自分が知らなかった娘の一面だった。(シネマトゥデイ引用)










⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎⭐︎⭐️⭐️★(85/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)


○まずは作品について

主にSNSを中心にPC上で物語を進行!?

そんな一見飛び道具的な映画を仕掛けるプロデューサーは『ナイト・ウォッチ NOCHINOI DOZOR』や『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフ。
監督にはPCと共に育った世代、驚くかな27歳のインド出身アニーシュ・チャガンティを抜擢!
23歳の時にグーグルグラスのみを使用して撮影した短編映画『Google Glass: Seeds』で注目を集め本作の抜擢に至ったそう。

また、娘を誘拐された主人公のパパを演じるのは、『スター・トレック』シリーズのジョンチョー。
『クレイジー・リッチ』に続いてハリウッドでのアジア系をメインに据えた映画ですが、こちらは物語における必然性がそれほど高くない中での選択なだけに、時代が変わってきている感じがビシバシ感じます!


○ここから感想(ネタバレなし)

全編モニター内で展開される...

いわやらるPOVと言われる、全編撮影された映像の掘り起こし&再構成で語られる映画はこれまでも多くありました。

『クローバーフィールド 』『パラノーマル・アクティビティ』『クロニクル』などなど...
それらは「臨場感」を与える為の一種の手法でして使われていましたが、「不自然さ」からはどうしても逃れられないという欠点も。

そんな作品に対して、今作はビデオカメラのみに留まらずに、あらゆる情報伝達手段を活用します。

メールにビデオチャット、インターネット番組、そしてSNS。
バーチャル空間こそが言語である現代において、そんな複数の空間の窓から物語が出ないのは、何の不自然さもない訳です。

現代的なコミュニケーションツールを完璧に映画のストーリーテリングに落とし込んだ「発明」 だと、この映画はを評して良いのではないでしょうか。


物語の本筋は、何故娘が失踪したのか、失踪した娘をお父さんがPCを活用して探し出すという所に物語は集約されます。

そんなサスペンスとドラマに、今作の構成が特に三点、絶妙に活かされています。


まず一つ、
「現代においてバーチャル空間にこそリアルな姿がある」
という、現代社会のあるある。

SNSを活用しながら調べる父親が目にする情報は、目から鱗な娘の姿ばかり。

現実世界では何も知らなかった...
現実空間よりもSNSにこそ、よりリアルが詰まっているという、現在進行形な皮肉が込められています。

だからこその、ラストの明快さ。

決して画面からは出ていないんだけど、リアルな世界での温かさと彼らの変化を微かに感じさせてくれる画に、なんて良い映画を観たんだという余韻を残してくれました。


二つ目は
「過去を容易に現在に持ち込める」
というPCならではの特性です。

もちろんこの要素はサスペンスの展開、特に「本当の娘の姿」を見つけていく事に活かされているのですが、それ以外に感じたのがエモーショナルな部分への活かし方です。

私が最もドラマで感情を揺さぶられるのは、画面上はハッピーなシーンで満たす事で「でも実は...」な要素を逆説的に暗示するシーンなんですか、本作の構造はそういう演出には抜群に向いているんです。

「今はない過去」の映像がハッピーであればあるほど、涙が止まらない訳で。
特にオープ二ングシーケンスの見事さ、テクノロジーの変化と人物造形、そしてそういう画面の奥の今を暗示する演出に、冒頭から心掴まれるまくりでした。


最後、三点目が
「圧倒的な情報量」
が画面に溢れている点です。

過去の映像含めて、インターネット、SNS、ニュース映像...
同時並行的にあらゆる情報が画面に氾濫、その中で父親と観ている我々は何を取り出していくのか..,

氾濫する情報空間での審議の見分け方は非常に難しい。
犯人の使ったあるトリックも、そんな時代だからこそ可能にした物です。

そしてもっと驚くべきは...
逆に無関係な情報は、例えば宇宙人の襲来など!?、我々観客にとっても無視されるという、皮肉と作中に含まれてる事に、皆さま気づきましたでしょうか?


また、そんなバーチャル空間の特性の活かし方だけでなくて、純粋なサスペンスとしての伏線の張り方、「実はこういう意味だと思っていたら...そっちか!?」というさりげなさも流石な所が、27歳の天才監督おそるべし。


兎にも角にも、下半期ベストクラスのこの作品。
PCで見る事で親和性が~なんていってないで、今すぐ劇場へ!!

超オススメです!!!





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  1. 2018/10/29(月) 19:41:22|
  2. 2018年公開映画
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80『クレイジー・リッチ!』今のアジアで普遍を描く!


『クレイジー・リッチ!』



~あらすじ~
ニューヨーカーのレイチェル(コンスタンス・ウー)は、親友の結婚式に出るためにシンガポールに行くという恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)に同行する。ニックの家族と対面することも決まったレイチェルは、彼がシンガポールの富豪一族の御曹司だと知って驚く。レイチェルはニックの母親のエレナ(ミシェル・ヨー)と会うが、彼女は自分たちの交際を良く思っていなかった。(シネマトゥデイ引用)










⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎⭐️⭐️(80/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)


○まずは作品について
アメリカ在住のシンガポール人、ケビン・クワンの小説を原作を、シンガポール系のアメリカ人であるジョン・チュウ監督が映画化。
主演は今作を経て世界的注目を集めている、コンスタント・ウーとヘンリー・ゴールディング。
なんといっても本作のアイデンティティは、超大手ワーナー・ブラザースが製作した歴然としたハリウッド映画なんですが、実態はキャストからスタッフまで(ほぼ)オールアジアン体制で作られたアジア映画だという点です!

近年、ハリウッドで原作ではアジア人の役を白人が演じる事を弾劾する「ホワイトウォッシング」が話題になっています。
(個人的には、映画によっては舞台背景を変える事によると必然の人種変更の範囲であれば、全然問題ではなくて、そういう部分も含めて非難されてるのは、ちょっとやり過ぎでは...と思います。)
本作は完全にそういった背景があっての映画で、それが映画の内容自体にどう落とし込まれているのか、興味深い所です。
またそうでなくてもハリウッドマネーで、完全ローカライズの映画が見られるのは素直に嬉しい。

そして、そんなローカライズな映画が、レディ・プレイヤー1やオーシャンズ8を凌いでの全米年間10位に入る程の大ヒットになっているのも、一映画ファンとして非常に嬉しいです。




○ここから感想(ネタバレなし)

冒頭から感じるのが、 80年代アメリカ映画の影響を受けたバリバリの中華圏のラブコメドラマだなと。

正直その手のジャンルに詳しいわけではありませんが、非常に小気味の良いテンションで日常を切り取っていきます。


そんな中で、今作がそれらからずば抜けて凄いのは人物造形の緻密さでしょうか。

登場人物の大半は、「裕福なアジア人」です。
しかし、欧米人が持つ裕福なアジア人のステレオタイプなイメージではなく、それぞれに裕福度も違えば、影響力も、勿論持っている悩みも違う。
そんな多様な裕福なアジア人が、独自の文化の中で一悶着をする...
我々日本人が見ても、今時アジア人の魅惑的なライフスタイルが、新鮮で興味深いのだから、欧米人が観るとより一層なのは間違いうりません。


そんな人物の置き方だけでなく、各キャラクターへのさり気ない気配りが抜群なのは、ハリウッドの映画作りの血が入っているから?
新鮮で魅惑的なライフスタイルと文化、そして水も甘いもが散りばめられる様々な人物造形、大変美味しく頂きました!



そしてもう一つ、この映画が普遍的に受け入れられるのは、物語の構成に起因します。

大半のアジア映画がアジアにおけるアジア人を扱っているのに対し、本作の主人公はアメリカ在住のアジア人です。
いわゆる、「アジア系アメリカ人」と呼ばれる人達。
特にアジア系を中心に多人種化しているアメリカの今を象徴している訳ですが、本作はそれそのものを主題にはしません。
これら現代要素で在り方は変われど決して変化しない本質...「家族と自分との折り合い」という超普遍的な内容を扱っています。

人種問題を押し出しすぎると、映画自体の背景と重なるだけに崩壊する可能性があるものの、しっかり懐深い要素として収まってる。
完成度高けぇなと感心しました。



アジアの今を閉じ込めながら普遍的な内容を描く...

是非、今!劇場でみてください!

おススメです!!





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  1. 2018/10/23(火) 12:45:12|
  2. 2018年公開映画
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70『MEG ザ・モンスター』超王道路線のサメ映画決定版!

サメ映画の超正当アップグレード!

『MEG ザ・モンスター』



~あらすじ~
地球で最も深い海とされるマリアナ海溝以上の深海が発見され、探査チームが最新の潜水艇で調査に乗りだす。チームは世紀の発見に沸き立つが、突如巨大な何かの襲撃を受け、動けなくなってしまう。深海レスキューダイバーのジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)が助けに向かうと、200万年前に絶滅したはずの超巨大ザメ、メガロドンが出現する。(シネマトゥデイ引用)







⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎⭐️⭐️(70/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)


○まずは作品について

推測13~18メートルの巨体で、史上最強・最大の肉食サメとの呼び声が高い 伝説のサメ メガトロン。
化石から150万年前に絶滅したと考えられているのですが、なんと今も生存しているのでは...なんて言われているみたいです。
そんな超巨大サメ メガトロンが生きていた...という設定の元でレスキューダイバーチームとの戦いを描くのが本作『MEG ザ・モンスター』。

監督を務めるのは、『ナショナル・トレジャー』シリーズや『ラスノベガス』のジョン・タートルトーブ。
そして、最大の本作の最大の楽しみなのが、メガトロンと戦うスーパーレスキューダイバー ジョナスを演じるのが、「最強のハゲ」ジェイソン・ステイサムだという点です!
「伝説の超巨大サメ」VS「人類最強のハゲ」
いやーそそられ過ぎる!


○ここから感想(ネタバレなし)

「サメ映画」と聞くと真っ先に思い浮かぶのが、スティーブン・スピルバーグの『ジョーズ』。
以降、沢山のサメ映画が作られて来ましたが、一部の映画(例えば『ディープ・ブルー』)を除いて、一部旨味だけを強調した超b級映画の素材となる事が大半でした。

しかし、本作は王道路線のエンターテイメント映画としての意気込みがビシバシ伝わる作りになっています。
実はモンスター映画をしっかり作ろうよというムーブメントは結構近年の主流で、ユニバース化されてるゴジラなんかもそう。
本作も、現実と地つなぎの世界に感じられるように、しっかり丁寧に作られています。


それでいて、あらゆるサメ映画の良い所取りを、映像的にアップグレードして魅せてくれています。
メガトロンが自発的に襲ってくるシーンはどれもこれも最高。
舞台を移しながらのバトルも嬉しい。
サメ映画好きにとっては、また一つマスターピースが出来たのではないでしょうか?


そして、超巨大サメと対峙するジェイソン・ステイサム。
既に一つのキャラクターとなっているジェイソン・ステイサムだからそこの男の色気がムンムンで、超巨大サメを目の前にしてのステイサムな構図はやっぱりスンバラしかったです。


ただし...
アクションシーンの中での展開のさせ方に難点が。
あまりにも人間の間抜けさ故のピンチが多く、そういうテーストの映画じゃ決してないのにサメ怖ぇぇではなくて「人間って...」となる事の方が多いのが残念。


但し!
気軽に楽しめるエンターテイメント大作として合格点過ぎる映画だし、今後のサメ映画を語る上で外せない一本ではあると思うので、観ておいて損なし!!







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  1. 2018/10/14(日) 19:29:10|
  2. 2018年公開映画
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70『プーと大人になった僕』実はサボる事って...

『プーと大人になった僕』



~あらすじ~
成長してロンドンで多忙な生活を送るクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は、妻子と故郷で過ごすはずだった週末まで仕事でつぶれてしまう。そんなとき、少年時代の親友プーが彼の前に現れ、一緒に森の仲間たちを捜してほしいとロビンに頼む。思い出の“100エーカーの森”を訪ねたロビンは、プーやティガーらとの再会を喜ぶ。
(シネマトゥデイ引用)





⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎⭐️⭐️(70/100)

以下 レビュー(核心のネタバレなし)


○作品について

大人気キャラクター『くまのプーさん』がまさかまさかの実写映画化!!
つい数年前まで実写化なんて程遠いと思われていたキャラクターや物語が、良し悪しは抜きにしてこの数年であれよあれよと実写化が実現してますね。
奇想天外で漫画的な絵や世界観を、現実と地つなぎにする...特殊映像の技術革新と、演出含めた魅せ方に関するノウハウの蓄積で、まだまだ進化は止まりません。


世界中でポピュラーなキャラクターであるプーさんは、1926年にイギリスの児童小説家A.A.ミルンが生み出したキャラクターです。
作者の息子 クリストファー・ロビンに与えたテディベアより着想を得たこのキャラクターですが、最近ディスク化された映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』でその裏側が描かれているので、是非!
そんなプーさんは、元々ディズニーの物ではなく、買収によってディズニーキャラクターに転身したのは、あまり知られていまさん。
そういえば最近、著作権が切れてパブリックドメイン化しましたね。

そんな、名実共に世界的キャラクター初実写映画化の監督を務めるのは、『ワールドウォーZ』『007/慰めの報酬』のマーク・フォースター。
ユアン・マクレガーがクリストファー・ロビンを演じ、アニメ版でもプーさんの声を吹き替えたジム・カミングスがプーさんの声を演じます。




○ここから感想!(ネタバレなし)


今作のプーさん物語は、アニメで描かれている時代がメインではなく、クリストファー・ロビンが大人になった時代が中心です。
幾多の映画で描かれるような、「大人になる=子供でなくなる」事への問いかけが物語になっています。

そんな中で、本作の実写化で非常に興味深い2点が、物語性へ関与しています。

まず一つ目が、プーさんを始めフィクションのキャラクター達のフォルムです。
同じくディズニーの『ジャングルブック』のようなリアルな姿ではなく、極めてぬいぐるみ的な作りになっています。
そしてそんな「ぬいぐるみ」だからこそ、クリストファー・ロビンが大人になる事で忘れてしまった子供時代の象徴として、抜群に機能しているのです。


もう一つが、風船とビジネス鞄が大人と子供を描く上で、キーアイテムとして登場する所です。
「幸せな気持ちになる」それだけの為に持つ風船と、なにかを運ぶ目的でしかないビジネス鞄。
これが、目の前に見える幸せを素直に求める事ができた子供時代と、一生懸命に生きる事で目の前の幸せに盲目になっている大人時代の象徴として印象に残っていきます。


そしてこの大人時代と子供時代の対比は、キャラクターへと活かされます。
家族の為という理由で、家族の時間を厳かにするクリストファー・ロビン。
一方のプーさんの言動は複雑な大人の社会では無茶苦茶な物ばかり。
しかし、どれも人間が本来求めるべき幸せや楽しさでもあります。
そんなプーさんの今を生きる言動に翻弄されながらも、忘れていた「目の前の楽しさと幸せを受け入れる事」をクリストファー・ロビンは思い出していきます。



そんな普遍的なテーマ以上に、「そうは言っても、大人は...」な要素へ踏み込んでいる所がこの作品の凄さです。

クリストファー・ロビンが家族との時間を犠牲にして追われる仕事は、他者への責任ある仕事して描かれます。
一方で、映画は「何もしない事」の価値を強調します。
これにより映画の構成として、「何もしない」では社会人として余りに無責任な印象を与え続けます。
仕事を「自己責任」の範囲に収める事も出来たのにね...

じゃあ、この映画の「何もしない」とは何なのか。

そこにあるのは、市場経済で見落としてがちな視点です。
社会全体が必死になって働き過ぎてる状況。
前述したように一従業員が目の前の課題に「何もしない」なんて責任放棄は問題外。
でも、そんな「働けば働く程儲かる」って原理で動く社会って、実は一番根っこにいる一般消費者が消費する時間を減らしてて、自分達の首を絞めてるよと。
時には「何もしない」事が景気をまわすんだよと。
社会が全体サボる事で、そこにはメリットすら生まれるんです。

「何もしない」という社会への問題提起を、普遍的な個人と家族の物語の延長線上に配置できた、旅行会社と設定の活かし方が極めて上手いなと感じました。




なんですが!
正直、このバランスがかなり綱渡りで、見終えた直後は「たまたま旅行会社だったからで、そんな何もしないなんて出来る訳ねぇだろ!!」って思っちゃってました...

あと、クリストファー・ロビンがプーと出会ってから、各キャラクターと出会うシーケンスは、少し退屈してました...

でもね!ここまで踏み込んだ上で、しっかり家族の普遍的な物語に纏めてるのはやっぱり凄いなと。
プーさん、可愛いし!!

是非劇場で見てください!






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  1. 2018/10/08(月) 00:27:09|
  2. 2018年公開映画
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75『響-HIBIKI-』性格女優、平手友梨奈!!

作品を凌駕する怪演!

『響-HIBIKI-』




~あらすじー
突如として文学界に現れた、鮎喰響(平手友梨奈)という15歳の少女。彼女から作品を送られた出版社の文芸編集部の編集者・花井ふみ(北川景子)は、彼女の名を知らしめようと奔走する。やがて響の作品や言動が、有名作家を父に持ち自身も小説家を目指す高校生の祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)、栄光にすがる作家、スクープ獲得に固執する記者に、自身を見つめ直すきっかけを与えていくようになる。(シネマトゥデイ引用)








⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎⭐️⭐️★(75/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
ビッグコミックスペリオールにて、2014年から掲載されている「響~小説家になる方法~」。
マンガ大賞2017で大賞に輝いた、柳本光晴の大人気コミックの実写映画化になります!

監督を務めるのは『君の膵臓をたべたい』や『センセイ君主』の月川翔。
小説や漫画などがベースとなる原作物を、絶妙なバランス感覚で実写映像化する名手なんではないでしょうか。
天才小説家である鮎喰響役を演じるのは、ミステリアスな雰囲気が魅力で欅坂46の人気アイドル 平手友梨奈。
アヤカ・ウィルソンや、北川景子、小栗旬などが脇を固めます。





正直、普段なら見逃すタイプの映画ですが...
何かに導かれて鑑賞。
大変美味しく頂きました!



本作の面白さと切っても切り離せないのが、15歳天才小説家である鮎喰響のキャラクターなのは間違いありません。

生粋の天才小説家鮎喰響。
幾多の名作家がそうであったように、彼女のキャラクターも一筋縄ではいきません。

忖度だとか馴れ合いは彼女の思考に存在せず、無益な物に対しては何の躊躇もなく正論をぶつける。
小説家としても、一人一人の感想には興味があるけれども、名誉としての賞には全くの無関心。
確固たる自分自身の軸があり、そしてそこに圧倒的な才能が備わってる。

彼女の性格を象徴するエピソードが、才能が枯れて尚も威張る嫌な小説家に対して、真正面からぶつける忖度皆無な言葉。
それが本質を付いていて、尚且つ圧倒的な実力を目にした相手はグゥの音も出ない...
そんな世の不条理に制裁を入れる、「水戸黄門」的な展開が一つ面白いんです!


いってしまえば、無双キャラ。
ですが、その意味合いは原作と本作で微かに異なります。
人の間違ったら面を理解できない彼女の性格は、今作ではある意味で欠陥としても見えるように描かれます。
一方的な正義として描かないこの彼女の印象の改変は、映画化にあたって間違いなく大成功ではないでしょうか。

その中でも、印象的なのは有名作家を父に持ち自身も小説家を目指す同級生の祖父江凛夏に対しての接し方です。
響の才能を目にして自信を無くす凛夏は、嫉妬から響に対して友達という感覚が見えなくなります。
対して響は、友達である事と小説を書く事は其々が独立しており、凛夏が求める「励まし」「嘘」は響には出来ません。
そんな二人の関係性は、この映画の大切な魅力になっています。


そんなこの映画の最大の功績は、響を演じる平手友梨奈の存在ではないでしょうか。
彼女以外でこの映画のバランスは成し得ませんでした。
芯の強さと危うさを両立させた響というキャラクターは、平手友梨奈のミステリアスな空気と完璧に同調。
新たな性格女優のスター誕生でしょうか!?


勿論、彼女を取り巻く役者、特に小説家を演じる役者陣は誰も彼も素晴らしかったです。


ですが非常に残念なのが一点。
序盤と終盤の2つのあるシーンにおいて、響のキャラクターを強調するはずが、「無茶をしてただ運が良い」キャラクターになっているのが...







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  1. 2018/09/29(土) 19:55:52|
  2. 2018年公開映画
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