シネマ・ジャンプストリート 映画のブログ

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

○80『ナイトクローラー』私は粘り強い人間です。

破滅の瞬間にカメラを持って現れる....

常軌を逸した人間のサクセスストーリー。
『ナイトクローラー』


~あらすじ~
煌びやかなLAの街で仕事にあぶれた男ルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)。窃盗で生計を立てながら、機を見ては自分を売り込み、仕事を得ようとするも上手くいかない。
ある日、偶然居合わせた事故現場で、テレビ局に過激な映像を売る「ナイトクローラー」と呼ばれる映像パパラッチを目撃。盗品と交換にビデオカメラと無線傍受機を手に入れると、警察無線コードを徹底的に分析し、事件や事故の現場に猛スピードで駆け付ける。彼の過激な映像は女性ディレクターのニーナ(レネ・ルッソ)の目に止まり高く売れ始めるが、彼女の要求はさらにエスカレートしていく。そして、遂に彼は....












☆☆☆☆☆☆☆☆(80/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~今最も惹きつける顔力~
昨年度のショーレースで度々顔を出しながら、アカデミー賞では脚本賞のノミネートのみに終わった今作の監督・脚本を務めるのは、脚本家出身のダン・ギルロイ。
これが初監督作。

そして今作の注目はなんといっても、主演のジェイク・ギレンホール!
今、いちばん好きな俳優かもしれない。
子役時代に大傑作「遠い空の向こうに」に主演すると、
20代に入ってからは、今は亡きヒース・レジャーと狂演した「ブロークバック・マウンテン」、ストイックな撮影で有名なフィンチャーの監督作「ゾディアック」と、爽やかながらも奥に何かを抱える人物を演じ、着々とキャリアを築く。
そして、迎えた2010年代以降の作品選びは、更に興味深すぎる。

惹きこみ力が桁外れのシチュエーションアクション映画「ミッション:8ミニッツ」、POV形式の新たな代表作となったクライムムービー「エンド・オブ・ウォッチ」、胸がもがれる不条理巧妙サスペンス「プリズナーズ」、超難解劇薬心理ミステリー「複製された男」と、一癖も二癖もある傑作に出演、魅了し続けてくれる。

彼本来の風貌自体は爽やかなんだが、目の奥のみに宿る強情な意思。
表情だけで感情を語り、周囲の視線を釘付けにする顔力。
そんな彼が12キロ減量して演じた、狂気に満ちたパパラッチ。与えてくれた嫌悪感は、最高に魅力的だった!!

また画面に釘付けにするのは、決してギレンホールの演技だけでない。
狂気に満ちたパパラッチが躍動するLAの夜景が美しい事....
鮮やかな風景と人物の持つ狂気のアンバランスさが実に心地よい。


~悪意のない狂気~
冒頭、ルイス・ブルームは何やら私有地に忍び込もうとしている所、警備員に見つかってしまう。
当然注意されるが、「わたしは真面目な人間で...」と取り繕う。そして隙を見て時計を奪い去る!?

決して堅気な人間ではない事が、この描写だけで伝わるが、彼には彼の事情があるようにも見える。
学歴もコネもない彼は、つきたくともまともな仕事につけない。そんな状況が彼をこうさせるのかもしれない....

しかし...盗んだ品物を売りにいった際に、店主に向かって彼は臆面もなく言う。
「私に仕事を紹介してほしい。私は粘り強い真面目な人間で、人一倍吸収力がある。」
悪い事をしているその場で、自分を売り込む。
彼はこれらの台詞を本心で言っている。

彼には彼の事情?そんなもの、はなからない。
サイコパス的な人間性の欠如が少しずつ見え隠れし始めたこの辺りから、突き進む先への不安感を煽られ、俄然面白く。
この先いったい彼は何を起こしていくのか....

そして偶然、報道パパラッチ「ナイトクローラー」を見かける事で、彼の欠如部分を吐き出す道筋ができはじめる。
片時も目が離せない、いや離したくない!!

この映画は、「セッション」や「バードマン」がそうであったような、
焦りや危機的状況から人間性が崩壊し、狂気に蝕まれていくストーリーでは決してない。
サイコパスな人間が、死に物狂いで結果を出そうとするサイコパス映画だった。


~何を撮っているのか~
彼の被写体を無視した過激な映像は、視聴率の低迷に悩む女性ディレクター ニーナの目に止まる。
しかし、彼の前に大手パパラッチ集団の壁が...
数の利を活かした彼らの前に、先手を踏まれてばかり。

ついに、仕事に真面目な彼は被写体だけではなく、現実すらも無視をする。
具体的に彼が何をするかは是非劇場で観て欲しいが、
過激な伝え手であった彼が、伝え手すら超えていく様子は圧巻。
そしてそれは断面しか映し出さないメディアの現実にも、大なり小なり当てはまるのでは...世の中おぞましすぎる。


不思議な事に、彼の放つ仕事論や自分を保つ精神論のセリフはどれも正論に聞こえる。
自分に望まれている物を理解し、徹底的に研究し、望まれている結果を出す。その為にやり切る。
更に自分の成果をカードに使い、交渉し、立場を有利にする。
ただの仕事が出来る奴じゃないか!!!
仕事への正論も、正しい倫理観あっての物だと逆説的に見えてくる。


~取り巻く人間~
周りの人間によって、彼の欠如部分を吐き出す道筋ができたのと同様、
彼の行動もまた、周りの人々に伝染する。

元々、数字を勝ち取る事に異常な執着があったニーナ。彼女のタガが外れていく。
加えて、この映画の唯一の良心であった、ダメ人間のリック。ルイス・ブルームにインターンとして雇われる、相棒候補。
仕事を転々としていた彼だが、ルイス・ブルームの「正しい仕事論」で操られる。
そしてまるでブラック企業で働く人ように、欠如が当然の物として伝染し始める。
その上、「ある物」も伝染してしまった結果....


~サクセスストーリー~
仕事という側面だけ切り取れば、この映画は何でもないサクセスストーリーに過ぎない。

ただしこの映画の行き着く先に、気持ち良さは存在せず、残るのは嫌悪感。
しかしこの嫌悪感が心地よい。
魅力的な描写、人物に惹かれていると、ラストがハッピーエンドに見えるからかも知れない。

それに...
ラストのエンディング曲のキレが最高すぎ!!!

一方、「お前は俺の未来だ」という、ある人物のセリフが思い浮かべて、彼の行く末を想像する事も出来る余地もある。



狂った魅力的な人間が、常軌を逸した行動にでるのだから、目が離せないのは間違いない。
人間性の欠如が行き着く結末!是非劇場で見てください!超オススメ。




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  1. 2015/08/24(月) 22:41:15|
  2. 2015年公開映画
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○75 『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』 これこそが最強のチーム。

非常事態には、非常手段だ。

今世界で最も愛されるエンターテイメント傑作シリーズの第5弾。
『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』

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~あらすじ~
アメリカの政府秘密機関IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)。彼は仲間のウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)やベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)、ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)と共に、謎の組織「シンジケート」の正体を探る任務を進めていた。そんな中、イーサンは指令を受けるためにIMFのロンドン本部を訪れるも、敵の罠にかかり、拘束されてしまう。拘束されたイーサンは拷問を受けるが、謎の美女イルサ( レベッカ・ファーガソン )が現れ・・・
一方で、CIAの長官であるアラン・ハンリーの進言により、時代遅れのIMFは政府から解体を命じられてしまう。過去に数々の騒動に関わっていながら、急に連絡をとれなくなったイーサンは、CIAによる国際手配を受けてしまう。










☆☆☆☆☆☆☆(75/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~ミッション:インポッシブル~
大スター トム・クルーズ。
世界中を見渡しても、現在彼以上のスーパースター俳優は存在しない。
1986年の「トップ・ガン」でトップ俳優の仲間入りをして以来、
アクション大作からドラマ映画、社会派作品まで様々なジャンルでヒットを連発し、
彼の出る所には、全くと言っていいほど、駄作が存在しない。
スターオーラが一層増した事で、出てくると登場人物としてもはや見えなくなってくる立ち位置になり、
出演作品は比較的たたかれやすい大作がほとんどになった昨今でも、
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のような傑作にしっかり関わってくる。
これも、自分がどう見られているか、どの作品に出るべきかを熟知しているからではないか。
彼以上に自己プロデュース力が卓越したスターは存在しない。


そしてその分析力を活かして、2000年前後からは製作側にも携わるようになる。
その最たる例が、人気テレビドラマ「スパイ大作戦」の映画化作品である
『ミッション:インポッシブル』シリーズだろう。
1作目ではサスペンス・スリラーの名作「アンタッチャブル」の監督ブライアン・デ・パルマを招き、
不穏感の漂う、素晴らしいチームスパイ物に仕上がっていた。
しかし以降、2作目でエモーショナルなアクション演出の天才ジョン・ウーを、
3作目でテレビドラマ「LOST」上がりのJ・J・エイブラムを
監督に招いて続編を製作したが、トム・クルーズの単体アクションに寄りすぎて、
これじゃない感を感じてしまった。
(決して駄作ではない。)

その嫌な流れを、監督にピクサー・アニメーション出身のブラッド・バードを招いた、
前作の「ミッション:インポッシムル ゴースト・プロトコル」の快作っぷりが完全に吹き飛ばした。
チームの連携でインポッシブルを突破するという原点に立ち返っており、
特に何度見ても、ドバイの高層ビル内での一連のアクション、騙し合いはワクワクする。

そして今年、トム・クルーズ53歳。
監督に名作サスペンス「ユージャル・サスペクツ」やダークアクション「アウトロー」の
クリストファー・マッカリーを迎えた第5作目の今作。
「ミッション:インポッシブル」に求めている要素がしっかりと詰め込まれた、納得の作品になっていた。

~敵か...味方か...~
冒頭から15分後、イーサンはIMFから新たな指示を受けるため、ロンドン本部に戻る。
例のごとく、音声による指示を受け、あーミッション・インポッシブルだなぁーなんて感じてると.....
敵組織に拘束されるイーサン。手足が縛られ、目前には拷問を担当するであろう、拷問器具を手にした美人が。
あぁ、この美人にいじめられたい...なんて思っていると、元IMFだというマッチョが拷問役を奪い取る。
この得ゼロな拷問を受けてる所、突如例の美人の華麗な足技に救われる。

一体彼女は何者なのか...
組織に潜入している諜報員だと名乗るが、イーサンを泳がして利用している敵にも見える。
この敵なのか、味方なのかの不穏感が終盤に差し掛かるまで、終始物語を包む。
この辺りは、「ユージャル・サスペクツ」の監督の腕が。
というより、
信じられる本当の仲間は誰なのか...これこそがミッション・インポッシブル一作目にあった、忘れていたミッション・インポッシブルらしさじゃないだろうか!?

~ALL for Ethan~
もう一つの醍醐味、前作から続くチーム物要素も今作では更にパワーアップ。
もぐりこみ、化かし、そして互いをフォロー。チーム個々の動きが同時進行し、一つの仕事が完結する。

そして何より、今作のイーサンは結構ヘマをする。無謀な事に挑み、失敗しかける。
イーサンの行動に文句を言いながら付いていくベンジー、CSIとの間に挟まれるブラント、ピンチに駆けつける旧友のルーサー、そして謎の美女イルサまでもがサポートする。

敵対する組織のリーダーが言う。
「お前はギャンブラーだ、いつか身を滅ぼす」
しかし非常手段にチームがフォローする。
正しい事をする無茶は、見ている誰かが助けてくれる。

~これこそエンターテイメント~
終始飽きさせない要素が転がっている。
誰が見ても楽しい。これもミッション・インポッシブルたる所以!!

つかみに持ってくるアクション。いきなりこれか....製作側の自信がびんびん伝わってくる。
そして、その自信は決して過信ではない事を証明。
序盤、中盤、終盤と適度な間隔で、とんでもアクションを放り込み、CGじゃなく出演者が演じてるからこそのワクワクを与えてくれる。
個人的には、イーサンの朦朧とした状態でのアクションが、フレッシュでたまらなかった。

アクションが止まってる時も飽きさせない。
今作、非常に美味しい立ち位置のベンジーとイーサンの関係は、文句をいっているのに、恋人同士がイチャイチャしているように見えず、思わずニヤニヤしてしまう。

そして、謎の美女イルサのアクションもカッコ良い。足技で魅力したかと思えば、ラストのイーサンとの展開は最高すぎる!!

敵リーダーのキャラが弱い...とか、イーサンが盲目的に信用する違和感...とか、ラストの展開は格好良さに寄せすぎでは...とか多少の不満もある。

しかし!完全にハリウッド製大作シリーズの代表格として、完全に勢いをとりもどした。

これぞミッション・インポッシブル!!の要素が詰まった映画、是非劇場で!




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  1. 2015/08/17(月) 23:01:36|
  2. 2015年公開映画
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△60 『進撃の巨人 ATTACK on TITAN』 こんなの初めて~~!?

進撃するモンスター達...

日本特撮映画の転換点!?
『進撃の巨人 ATTACK on TITAN』



~あらすじ~
約100年前、突如現れた巨人達の襲撃により、人類の大多数は死に絶えた。襲撃から身を守る為、人類は高い壁を建設し、その中に閉じこもる生活を続けていた。
ある日エレン(三浦春馬)は、噂でしか聞いた事のない巨人に怯え、閉じこもっているだけの現実に不満を持ち、ミカサ(水原希子)とアルミン(本郷奏多)と共に壁の外に出ようとする。しかし、突如壁の高さを超える巨人が現れ....














☆☆☆☆☆☆(60/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~世界に向けて~
諫山創の大人気漫画「進撃の巨人」を原作に、
監督には、「日本沈没」の樋口監督。脚本に「ガッチャマン」や「MONSTERZ」の渡辺雄介、日本を代表する映画評論家の町山智浩を迎えて、満を持しての実写映画化。

まず感想を書く前に...個人的な「進撃の巨人」への立ち位置はというと、
原作漫画は10巻までは読破。アニメは見た事がないが、アニメ劇場版の「進撃の巨人 前編 紅蓮の弓矢」のみ鑑賞済み。
そんな勉強不足の状態で迎えた劇場版公開。鑑賞前から賛否両論が飛び交う中、原作からの改変ポイント等と情報は遮断しての鑑賞。
漫画、アニメの映画化と言う事で、身を構えてしまっていたが...

そもそも、映像表現の繋がりで話を盛り上げる映画と、過剰なケレン味で話を盛り上げる漫画では、同じ目的であっても手段が異なると思っている。
漫画と同じ事を映画でしてしまうと、セリフの過剰具合や、漫画的な人物と現実の人間味とのギャップに違和感を抱いてしまう。ようは、バカっぽくなってしまう。
一方で、現実味に寄せすぎると、作品そもそものファンを失望させてしまう。


しかしアメリカのアメコミ物に目を向けると、あちらは圧倒的な映像表現による説得力と、キャラクターの現実路線化で、現在は大成功の道を歩んでいる。
日本では、そこまでの映像表現は出来ない上、「現実世界の中の異」を扱ってるアメコミとは異なり、より「異世界その物」を扱う事が多い為、更に状況は難しい。
そういう意味では寄生獣なんかは、かなり良い題材と思ったのだが...
そんな現実の為か、日本では1対9くらいの割合で、映画化は失敗しているのが残念ながらの実情である。

では、この映画に関してはどう感じたのだが、
ビジュアル表現による現実への説得力は、日本映画では見た事ないレベルで真に迫る物になっている。
その一方で
日本映画の悪い所も、しっかりと引き継いでおり、演出で現実への説得力をもいでしまっている。

しかしこの映画に関しては、出来不出来以前に言及したい点がある。
私たちは、進撃の巨人が人気漫画所以に、その設定になれてしまっているが、
大きい人間が小さな人間を喰い散らす。そんな頭のおかしい(褒めてる)映画が過去にあるだろうか?
こんなぶっ飛んだ映画を、日本が創れるいう事を海外に発信出来る事が何より嬉しい。
そして、それをアピールできるだけのクオリティは担保されている。



~こんなの初めて!!~
壁の中で暮らす人等は、機械を捨て、壁の外への希望は持たず、ひっそりと協力しながらコミュニティーを形成している。
ミカサとアルミンも同じ。しかし、エレンは違う。彼達の世代からすると、「見たことない巨人」は空想の存在。その存在に怯えて、外への希望を語らない周囲に嫌気がさす。

その時点で、エレンの外界への渇望の源が憧れや嫌気だけの点や、ミカサが普通の女の子である点など、漫画版と設定が大きく異なる。
年月が経ったが故の彼らの無知さは、戦争を知らない私達の無知さにも共通するという置き換えが可能になっているなど、かなり現実路線に設定を改変している。

その不満をぶちまけたエレンは、ミカサとアルミンを連れて、壁の外への出ようとする。
しかし...
突如地響きがする...
足音が近づく...
そして、壁の上を見上げると、壁より大きい超大型巨人が、この世の終わりの始まりと共に現れる。
あのポスターに映る超大型巨人だ。

この後、超大型巨人が空けた穴から、大量に巨人が流れ込んでくるのだが、巨人のほとんどがこの超大型巨人のイメージとは異なる。
特殊メイクをした人が演じる特撮映像を、CGで加工しているのだが、人間のルックをしているから生がにじみ出ていて余計に気持ちが悪い。
その人間のルックをした巨人が街中にいる人間を指で掴み上げ、まるで刺身でも食べるかのように、ばくばく食べる。時にはぶちぶちちぎって。
それらの直接描写はないのだが、上から血がぼとぼと落ちてきたり、人間がちぎられる音がしたりするので、グロい映画が無理な人は精神的に耐えられないだろう。
しかし、ここまでやり切ってくれると、帰って気持ちが良い不思議。

そして、巨人は決して容赦しないし、空気を読まない。自然災害や戦争がそうであるように。
個人ではどうしようもならない規模の災害や戦争のメタファーとしたゴジラがそうであったように。
巨人が登場した瞬間に、人類の破滅への道が動き出し、どんなに彼らが喚こうが、泣き叫ぼうが、理不尽に人間は食われるだけ。
良い話の最中でも、セックスの最中でも、小さい子供でも。食われる。

人間の命のちっぽけさや、この世の理不尽さを、人間のルックをした巨人に襲われる事で、突きつけられる。
こんな映画、初めて~!!!!


~数ある不満~
ここまでやりきって、作り手の意気込みが感じられる映画を嫌いになれる訳がない。
しかし、一方でドラマパートの演出が、その意気込みを台無しにしてしまってるように感じる。

これは、日本映画特有のあるあるではあるが、人物が話してる間、物語とまってしまっている。
そのため、「今、そんな事言ってる場合じゃないのでは...」「何故、その人物は突っ立ったまんまなの...」といった突っ込みどころが生まれ、ヴィジュアルで構築した世界観の説得力をぶち壊している。
そして、あまりにもその場その場の、盛り上がり所の為のリアクションしかとらない為、彼ら当時人物や物語の背景には何もないように感じてしまう。
序盤の小屋に大量に逃げ込み、鍵をかけて、助かったー!のシーンなんて、ほんと意味がわからない。

また、ハンジやシキシマのキャラクターがあまりに漫画的で、現実感をそぎ落としてしまっている。
巨人の襲来描写でもたらされる人間の無力感、生命が奪われる理不尽さを現実に突きつけるという今作の成功している箇所がある中、漫画的な良さを残そうとしたドラマパート部があまりにもダサい。

その点は、物語としての駄目さはあるにしろ、「るろうに剣心」の実写化の方が、漫画的な描写と実写による現実味の相乗効果を上手く出せている。

立体起動のCGのしょぼさとか、技術面でも物足りない事があるが、ドラマパートの演出に比べたら全然目を潰れる。


不満をだらだら書いたが、決して嫌いにはなれない。
ここまでやるか...を是非劇場で感じて下さい!



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  1. 2015/08/10(月) 23:04:25|
  2. 2015年公開映画
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○75 『ジュラシック・ワールド』これが、ロマンだ!!!恐竜だ!!!

もっとデカイのを!!!もっと歯をー!!!

帰ってきた大人気シリーズ。
『ジュラシック・ワールド』



~あらすじ~
「ジュラシック・パーク」の事件から22年後、パーク跡地にマスラニ社が創設した、毎日20万人来場する世界的な恐竜のテーマパーク、「ジュラシック・ワールド」を二人の兄弟が訪れた。
そんな中、二人の叔母で責任者でもあるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、更なる驚きを提供する為、研究グループに命じ、遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させる。恐竜の飼育員オーウェン(クリス・プラット)は、その恐竜の知性の高さに驚愕し、警告をするのだが...

















☆☆☆☆☆☆☆(75/100

以下 レビュー(核心のネタバレなし)

~ワクワクしてこその映画~
あの傑作「ジュラシック・パーク」から22年、3作目からは14年ぶりの再スタートとなった今作。
待ちに待ったシリーズ最新作。
結論から言うと...
恐竜好き、ジュラシック・パーク好きには、最高にたまらない作品になっている。

スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」に初めて触れたのは、小学生の時、友達の家で。
普通の男の子と同じく、恐竜が大好きだった当時だが、鑑賞中は強がることすら出来ずに、
一生見るものか...と、この映画がトラウマになった。

そして初鑑賞から20年。今なら流石に大丈夫だろう。むしろ恐竜の表現が陳腐に見えるんじゃないか....
そんな思いで、最新作の予習として鑑賞してみたが、
要素が色々詰め込まれてる中、完成度がめちゃくちゃ高い事に驚き。今見ても恐竜の表現に違和感が無い所か、怖い、怖い、ラプトル怖すぎる....
冒頭からワクワクするし、癒されるし、ジリジリ不穏感漂うし、恐怖を被せて煽るし、子供だけでなくいつの間にか大人も成長してるし、自然淘汰の哲学思想も内在する。
そして、最後めちゃくちゃカッコ良いし!!!
改めて、スピルバーグの凄さを再確認した。

そんなハードルが上がりきったシリーズの最新作を監督したのは、新人のコリン・トレボロウ。
彼が仕上げたこの映画、決して穴が無い訳ではない。それどころか、かなり多い。
しかし、それがむしろ魅力にすら感じる。
現在の良い映画とする条件に反して、人があまりに表面的にしか見えてこない。漫画的なんだが、おそらくこれはワザとやっている。
一つのキャラクターとして描く方が、創られた世界観を堪能できて、ワクワクするでしょ?と言わんばかりに。


具体的にはまた後で触れていくが、ワクワクさせる為に抑えるべき要素を徹底的に抑えている。
一作目より怖さに関しては劣る(それがより一作目の凄さを強調しているが...)。
しかし、
この新人監督は、ファミリームービーとして、俺達が懐かしむ昔ながらのあの大好きな映画として、最高の仕事をしてくれた!!!


~これが、ジュラシックパークだ!!!~
冒頭からもう...もう...ワクワクが止まらない。
兄弟が、初めてジュラシック・ワールドの門をくぐった瞬間、カメラが少しずつ引いていき、人と自然にあふれたパークがスクリーン全体に映し出される。
そして、同時に流れ始める、あのテーマソング!!
待ってましたー!!!これ!これ!!これ!!!
初めてディズニーランドに訪れ、音楽が聞こえ始めた時の感覚に近いワクワク感。
それと同時に、一作目のジョン・ハモンドの願いがついに叶ったのかという感動も...
序盤からすでに、涙が出そうになる。

作品が進むにつれて感じるスピルバーグ監督への愛、ジュラシック・パークへの愛。
一作目の懐かしい車や道具を使う展開もある。

子供達を中心におき、何かしらの愛情に欠けた大人が近くにいる。今回ならクレアの役所。
強力な父性への憧れを持つスピルバーグは、その役目をよく男性に背負わせるので、その点は異なるが、物語の大枠はほとんど同じだ。

そのスピルバーグが発明した、ジリジリした恐怖演出。
くるぞ...くるぞ...くるぞ....ドーン!!!
あぁ、今、俺、劇場で、ジュラシック・パークを見てるんだな...



~愛すべき恐竜達~
今作のメインの敵は、禁断の人工恐竜インドミナス・レックス。こいつが脱走する事で、物語は急速に加速する。
一般的に肉食動物は、満腹時は身の危険がない限り、他の生物は襲わない。しかしこいつは違う。
知性があり、殺しを楽しんでいる。
人が自然をコントロール仕切れる事は決してないが、
自然に反して産まれた生物は、自然生物の道理すらも無視する。

他にも恐竜は多数登場する。
草食恐竜では、
長い首のアパトサウルス(大好き)は一作目同様超癒してくれるし、
固い甲羅のアンキロサウルスは、威嚇する犬のよう。
ガリミムスの疾走は最高に気持ち良いし、
トリケラトプスは、乗りたくてたまらない...

翼竜のプテラノドンやディモンフォドンはパークにいる2万人の来場者をピンチに貶める?上から襲う歯が怖さたるや...

最恐巨大海洋爬虫類のモササウルス。とにかく...でかい!
こいつの迫力映像がフレッシュで、物語にも素晴らしい形で関わってくる。

一作目でメインの敵になっていた、知能の高い小型肉食恐竜、ヴェロキラプトルは今作もメイン級。
オーウェンは、ラプトルと信頼関係を築こうとするが...
ラプトルに集団で襲われると
生きたまま内臓をえぐられる。最もリアルに怖い。

そして、みんなのアイドル肉食暴君、ティラノサウルス・レックスは....
劇場で観てくれ!!!

全ての恐竜の質感、迫力が、素晴らしすぎる。やはり劇場で観てなんぼ。

また、最新の研究で有力となったティラノサウルス羽毛説や、翼竜は人を襲わない等、映画では実際の恐竜の生体とは異なっているかもしれない。
しかし、そんな恐竜を見たいだろうか??
皆が見たい恐竜が、皆が見たい形で暴れるから、ワクワクする!!


~熱い、熱すぎる~
一作目のラストは、映画史に残る胸アツ展開だったが、今作も決して負けていない。

オーウェンがラプトルと並走するシーンは、こんなの見た事ないレベルの格好良さ。
予告編で見ているのに!!
思わず、劇場でニヤニヤしながら、前のめりになってしまうに違いない。

そしてなんといってもラストの展開。
当然、ここではだんまりだが、確実に言えるのは、
このシーンの為だけにでも、絶対に見にいくべき!!!!
正直無茶苦茶な展開に見えるが、画面の力、格好良さが半端ないから、そんなツッコミなんてどうでも良い。

ヤツとヤツとヤツ、もう皆最高だよ。


~粗はいっぱいある~
しかし、この映画、突っ込み所はもちろん、物足りなさも多いにある。

分かりやすいキャラクターとしておくのは良いとしても、そんな人は流石にいないだろ...となってしまうのはやり過ぎ。
特に、お兄ちゃんの行動と、パークの警備体制を乗っ取ろうとする軍のおっさんの行動原理。

恐竜の格好良さ、可愛いさ、気持ち良さを味わいたいのに、兄弟が家庭の話で落ち込み出し、停滞するのも勿体無い。
そこで家族の話とか...後ろ、可愛い恐竜いるんですけど!何で君たちテンション上がらないの???
恐竜が見たいんじゃー!家でやれや!!!

パークの司令部の違和感も異常に多い。
警備体制の責任者が、真っ先に出てったら、誰が仕切ってるの??
警備体制...なんか、俺がやるから!!って一言でヌルっと乗っ取られてるけど??

他にもインドミナ・レックスの風防が、ティラノサウルス・レックスに似すぎてて、インパクト弱いとか、
物語を止める唐突なギャグ何なの..,とか。
哲学的なテーマや、畳み掛ける恐怖感、大人の成長を前に出してないのに最後には...な展開は一作目より縮小してしまってる。


残念と、目につく所は確かに多い。
しかし、この映画の面白い所、熱くなる所、ワクワクする所、震える所に比べると、ちっぽけに見えるのは間違いない。
加点方式だと、100億点だ。
夏休み、真っ先に見るのはこの映画でしよ!!!



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  1. 2015/08/06(木) 21:00:04|
  2. 2015年公開映画
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2015年8月公開の注目映画

8月の観たい映画物色タイム!!



例年、注目作が目白押しの夏休み!!
その中でも今年は例年以上に注目作揃い。
さあ、行ってみよー

~まずは、既に見た映画~
『ベルファスト71』
戦争アクション。北アイルランドのカトリックとプロテスタントの内戦をイギリス軍が仲裁。しかし、一人の青年が取り残され...
ドキュメンタリー的な現実の非情さとエンタメ要因が上手くミックスされ、中々良かったので、後日のレビューを期待して下さい!

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
人気バンド、Belle and Sebastianのスチュアート・マードックが、2009年に放ったソロアルバムを自ら監督・脚本を務めて映画化した半ミュージカル映画。拒食症の治療で入院しながら、たった一人でピアノに向かっては作曲に没頭するイヴは、街へと飛び出し...
ストーリーの中に複数のPVが自然に紡がれた気持ち良さ。間違いもありながらの若者の輝かしい日々への憧れと、90年代風の音楽・ファッションの可愛らしさが実にマッチ。こちらも後のレビューで!


~絶対に見たい映画~
『ジュラシック・ワールド』
8/5公開。
あのテーマ・パークが帰ってくる...
全世界興行収入が歴代3位で、タイタニックやアバターに迫る勢い。1作目のような設定に戻ってき、とにかく今作は恐竜がかっこよく描かれているとの事。
今年の夏休みの主役は間違いなくこの映画!!

『ナイトクローラー』
8/22公開。
報道スクープ専門の映像パパラッチ、“ナイトクローラー”。彼らは生々しく刺激的な映像を求めて犯罪現場を這いまわる。
大好物の一人の人間が、次第に狂気に支配されていくモノ。そして主演は眼光に狂気を纏いし男、ギレンホーク。タクシードライバーのトラヴィス以来の狂気がそこに!!!
公開以来、ずっと楽しみにしてた作品がついに!!!

『ミッション・インポッシブル /ローグ・ネイション』
8/7公開。
世界で最も愛されている、アクションエンターテインメント大作。
イーサン・ハントは多国籍スパイ集団「シンジケート」を追う中拘束される。脱出を手助けした謎の女性にIMF解体を知らされる。そして彼は国際手配の身となっていた…。
大好きな1作目以降は勢いを失っていたが、チーム物として勢いを取り戻した前作。今作もめちゃくちゃ評価が高いようで、非常に楽しみ!!

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
8/1公開。
大人気漫画「進撃の巨人」の映画化前編。
100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、人類のほとんどが食べられてしまった。生き残った者たちは巨大な壁を作り上げ、内側で暮らしていた。そんなある日、100年壊されなかった壁が巨人によって破壊されてしまう...
予告編、評判を見る限りの印象では、ゴジラやウルトラマンにあるような破壊的恐怖のカタルシスはかなり持っているように思う。一方、原作ファンは.....なのだろう。
ただ、何より嬉しいのは、この手の行き過ぎた映画を日本もまだ作れるんだ!と世界に発信できると!!


~是非観たい作品~
『日本のいちばん長い日』
8/8公開。
戦後70年の今、如何にして戦争を終わらせたのかに焦点を当てる。戦争終戦の為に命をかけた男達の物語。
一体終戦の日に何があったのか...戦争への向き合い方を見直す、今だからこそ見たい作品。
美化しすぎてない事を祈るが...

『さよなら、人類』
8/8公開。
世界三大映画祭のひとつ、ヴェネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞した作品。
面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビ。彼らはさまざま人たちの人生を目撃する。なにをやっても上手くいかない人たちの哀しくも可笑しな人生を描く。
金獅子賞ってのもそうだし、内容的にもかなり惹かれる!!

『あの日のように抱きしめて』
8/15公開。
1945年ベルリン。顔に傷を負いながらも強制収容所から生還した妻と、変貌した妻に気づかない夫。夫は、保証金の為に妻を演じてくれと言う...
これは内容に惹かれた!戦時下の心理サスペンス。面白そう!

『TED2』
8/22公開。
前作からの彼女と結婚したテッド。悪ふざけも変わらぬ毎日の中、やがて、テッドは子供が欲しいと願うようになる...
バカ映画を久しく見てないし...やはりこれは見ないといけないやつ!!


~評価によっては...~
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
8/1公開。
人気グループ ザ・ビーチ・ボーイズの中心メンバー、ブライアンの半生を描く。
彼らをあまりしらんからなー

『最後の一本 ペニス博物館の珍コレクション』
8/8公開。
アイルランドのペニス博物館。夢はヒトのペニスを展示する事!候補者は二人。人類代表を決める戦いに密着したドキュメンタリー。
これは...笑 機会があれば見たいかも!

『彼は秘密の女ともだち』
8/8公開。
親友を亡くした...彼女の夫と子供の様子を見に行くと、彼女の夫は母親を演じようと女装していた...特別な友情の行く先とは...
設定は興味深い!!

『この国の空』
8/8公開。
終戦が近い東京、19歳の里子は結婚など望めそうもない状況に不安を抱いていた。そんな中、丙種により徴兵を免除され、妻子を疎開させ一人で暮らす隣人・市毛の世話をすることに楽しみを見いだし...
生なましくもロマンティックな恋愛。二階堂ふみという事もあり...評判次第で。

『at Home』
8/22公開。
泥棒の父と結婚詐欺師の母、偽造職人の長男、一家が犯罪で生計を立てていることを知っている長女と次男からなる偽装家族を描いた作品。母親が誘拐されたことをきっかけに、家族たちがひとつに...
設定が惹かれる!でもこの手の邦画は...評判次第で!

『わたしに会うまでの1600キロ』
8/28公開。
一人で3ヵ月間、1600キロの山道と砂漠を踏破するという無謀な旅で、人生をリセットしようとした女性の実話。
最近この手の旅映画多いな。好物だけど、評判次第で。



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  1. 2015/08/02(日) 19:22:45|
  2. 2015年公開映画
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