『天気の子』
~あらすじ~高校1年生の夏、帆高は離島から逃げ出して東京に行くが、暮らしに困ってうさんくさいオカルト雑誌のライターの仕事を見つける。雨が降り続くある日、帆高は弟と二人で生活している陽菜という不思議な能力を持つ少女と出会う。(シネマトゥデイ引用)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)○作品について前作『君の名は』で大ヒットを飛ばし、一躍日本を代表するクリエーターとなった『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』の新海誠監督最新作!
プロデューサー川村元気、音楽RADWIMPSとのタッグを前作から継続。
超協力体制に加え、新海監督自ら「賛否が割れる」と言った更なる新海ワールドが炸裂!
○ここから感想(ネタバレなし)「何者でもない事に悩む少年少女が、この世界の裏側を自分達だけが知り、その世界との決着を通して自己意思を見つける」いわゆる世界系と呼ばれる、新海監督のエッセンス。
前作『君の名は』では、その自己意識が世界の行く末とバランスが取れていた。(その上、そこに抜群の映像と音楽までもが完璧に同調し、全ての要素が同方向に一直線に加速していたからこその大ヒットである。)
迎えた本作では、
自己批評のごとく、全く逆方向に舵をきる。詳しくはネタバレになる為書かないが、世界の行く末と自分たちの決断が逆を行くことで、
「そうだとしても..俺達は!!」な展開が、前作以上に自己意識のパワフルに肯定させる。
このバランスが、新海監督曰く「賛否がわれる」所であるが、決して彼等を責められない脚本のバランス感覚と、もはや力技な音楽×映像のドライブ感が合わさり、物語だからこそ肯定したいロマンチックな着地に感じ、前作より断然好きだ!
また周囲の大人の描き方も前進していて、本作が『君の名は』に比べてより味わい深くなっている。
少年少女の真っ直ぐで無謀な行動の横にいる大人達の、現実的な葛藤や喜びなど人となりがこっそりかつしっかり描かれているから、何処となく現実世界の湿った感覚を感じられるのかもしれない。一方で作品に力技でドライブさせるような、音楽と映像の融合、一本のミュージックビデオのような全体コーディネートは前作同様に素晴らしい。
その中でも特出すべきは映像表現!
特に
天気表現は滅茶滅茶綺麗で、間違いなく世界トップレベル。そんな天気の映画を、この天気に右往左往する時期にこそ大スクリーンで見てほしい! 7/10☆☆☆☆☆⭐︎⭐︎ランキング登録しました。
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- 2019/07/31(水) 20:04:33|
- 2019年公開映画
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『トイ・ストーリー4』
~あらすじ~ある日ボニーは、幼稚園の工作で作ったお手製のおもちゃのフォーキーを家に持って帰る。カウボーイ人形のウッディが、おもちゃの仲間たちにフォーキーを現在のボニーの一番のお気に入りだと紹介。だが、自分をゴミだと思ってしまったフォーキーはゴミ箱が似合いの場所だと部屋から逃亡し、ウッディは後を追い掛ける。
以下 レビュー(核心のネタバレなし)○作品について2010年もトイ・ストーリー3から9年の時を経ての正式な続編となる本作。
もうそんなに!?
てかあんなに綺麗に収めた3の続編なんて必要!?ってのはさておき、大好きなシリーズなのでやはり期待せざる得ませんよ。
監督は、『インサイド・ヘッド』(☆8)で超秀逸な脚本を務めたジョシュ・クーリーを抜擢。
長編初監督ですが、実際は独自方式のチームピクサーで挑む為、大外れはしないはず。
○ここから感想(ネタバレなし)おもちゃの幸せとは?これまでのトイストーリーシリーズではそんなテーマを一貫して描いてきた。
中でも、
遊んでくれる事、必要とされる事、更に子供の成長に寄り添う事にこそ、おもちゃの幸せがある事を前提としてきたように思う。そんな中での『トイ・ストーリー3』の結末は、
「主人が誰か」以上に大切なおもちゃの幸せの本質(だと思っていた物!?)を示し切った為、これ以上ない最高の結末になっていた。実際めっちゃ泣いた...
そんな誰しもが満足していた結末に対して、本作では早々に裏切りが待っている。
前の持ち主アンディはおもちゃからの卒業はあったかもしれないが、あくまでウッディは大切な存在であり続けた。
しかし、現実は子供は古いおもちゃに飽き、戦力外にする事が往々にある。
今作で実は初めて、ウッディ自身がそんな状況に直面する。
だからこそのウッディの今作を通した振る舞いは胸に来るし、叫ぶウッディの言葉は泣けて来る...
これまでの「子供の成長に伴うおもちゃ自体の存在価値」ではなく、
初めて個体としてのウッディの存在価値が揺らぐ。
そこから更に彼自身が、いや見てる我々も前提としていたおもちゃの幸せ=帰属前提の定義を覆す、ウッディの幸せ探し物語になっている。わざわざ掘り返さなくて良い所掘り返して、新しく「幸せとは?」という前提を作り直してるんだから、賛否両論出るのはわかるしモヤモヤするのもわかるけど、
自分はその前進ゆえのモヤモヤ含めて大いに肯定したい。同じところに止まっていない、これこそピクサーだよなぁと改めて関心した。新キャラ フォーディに関しても、おもちゃって何だろ...っ考えさせられるキャラ設定も見事。
何よりギャグに関しても最高で、フォーディのゴミの下りは当然、漫才コンビの掛け合いは最高でした!
そして毎回驚かされる(驚かされるのに慣れちゃって、もやは驚かないレベルなのが可愛そう)のが映像。特に今回は人形の質感。
不気味さとか古さとかの表現が見事で、この映像表現があっての物語にもなっている。『トイ・ストーリー4 』
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- 2019/07/28(日) 14:38:26|
- 2019年公開映画
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