シネマ・ジャンプストリート

劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

☆8『この茫漠たる荒野で』これは沁みるぅ!

前進するためには思い出す。

『この茫漠たる荒野で』



~あらすじ~
南北戦争が終結して5年。退役軍人のジェファソン・カイル・キッド(トム・ハンクス)は、各地を転々としながら世界中のニュースを読み伝える仕事をしていた。その道中で出会った10歳の少女ジョハンナ(ヘレナ・ゼンゲル)は、ネイティブアメリカンにさらわれ育てられた過去があり、英語も分からず見知らぬ外の世界に戸惑っていた。見かねたキッドは、彼女を親族の元へ送り届けることを引き受ける。彼らはさまざまな試練に遭遇しながら、荒野を進んでいく。(シネマトゥデイ引用)

8/10★★★★★☆☆☆

以下 レビュー(核心のネタバレなし)
Netflixオリジナル作品。
ポーレット・ジルズのベストセラー小説を原作に、『キャプテン・フィリップス』や『ボーン・スプレマシー』などのポール・グリーングラスが監督。大好きな監督です!
グリーングラス監督と『キャプテン・フィリップス』に次ぎ2度目のタッグとなる、トム・ハンクスが主演。共に旅する少女をヘレナ・ゼンゲルが演じます。

五臓六腑に沁み渡る~

時代は南北戦争から5年後のアメリカ。「新聞の読み手」として各地を転々とする退役軍人と、先住民に囚われ英語の話せない訳あり少女が、多民族が混在し混沌とした大地で、大きな傷を背負いながら前へと歩き始めるロードムービーです。

先住民に移民、そして奴隷黒人...
南北戦争を経たこの時代は、「人種のるつぼ」たるアメリカが、今の在り方に向けて進み出し始めた頃なんですが、この時代のアメリカならでは要素が2人の人物造形、苦悩、そして襲いかかる苦難に紐付いていきます。
現代では表現が難しい程に明確に線引きされた2人が、互いを理解していく様は、「人種」の線引きを超え、あくまで人と人である事を強く印象に残していきます。

「前進するためには思い出す。」
この言葉が、彼ら2人が前進する為のキーワードになるのですが、今まさしく分断が進むアメリカにおいて、この映画にある多民族国家としてのアメリカの背景を今こそ思い出すべきではないかというメッセージとして重なっていきます。

そもそもこの2人の人物造形が抜群です。トムハンクス演じる退役軍人の職業が「新聞の読み手」ってのが、そもそもフレッシュだし、映画のストーリーにも上手く作用している上、「言葉」が通じない少女に対し、その連続体である「物語」をあえて真ん中に据える事で、2人の距離感が測れて面白いんです。

また、本作のカメラ割りのメリハリが印象的でした。グリーングラス監督といえば、臨場感を持たせるのが極めて上手くて、超絶細かいカットを繋ぐのが十八番なんだけど、本作は要素要素の緊迫感あるシーンでのみ活用しています。逆にそういったシーンとの対比で静かなシーンも多く、それが全体として広大で美しいけど未完成で危険な大地って雰囲気が凄い印象に残る画作りになっていました。

今の時代にこそ、心に沁みる一作。勉強にもなってオススメです!!

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  1. 2021/03/01(月) 23:40:14|
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