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劇場公開映画を中心にレビュー 映画の良さと個人的感想を。

90『ハドソン川の奇跡』美しい...

するべき事をする。

御爺イーストウッドの最新作!!
『ハドソン川の奇跡』



~あらすじ~
2009年1月15日、真冬のニューヨークで、安全第一がモットーのベテラン操縦士サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、いつものように操縦席へ向かう。飛行機は無事に離陸したものの、マンハッタンの上空わずか850メートルという低空地点で急にエンジンが停止してしまう。このまま墜落すれば、乗客はおろか、ニューヨーク市民にも甚大な被害が及ぶ状況で彼が下した決断は、ハドソン川への着水だった。
(シネマトゥデイ引用)






☆☆☆☆☆☆☆☆☆(90/100)
以下 レビュー(核心のネタバレなし)
今年ベスト。
早すぎ?いや、全然早まってなどない。
少なくとも、洋画では今の所ぶっちぎりのベストです!!!!

今年86歳になった、映画界の生きる伝説、クリント・イーストウッド監督の最新作。
若かりし俳優イーストウッドの西部劇代表作『夕陽のガンマン』、イーストウッドを大スターに押し上げた決定作『ダーティーハリー』、最後の西部劇と言われる伝説的名作『許されざる者』、監督・俳優として集大成のような名作『グラントリノ』、日米両面から戦争を描いた『父親達の星条旗』『硫黄島の戦い』、直近では近代戦争から生まれる苦悩を描いた『アメリカン・スナイパー』など、上げればキリのない70年代から2000年代全てを代表する映画人。
特に『グラントリノ』は、私が映画好きになるきっかけを与えてくれた、オールタイムベストな作品です。
そんな御爺の特徴としては、出演者誰もが驚く早撮り。
その早撮りで出来上がってくる作品は、引き算式で、無駄なシーンや過剰な演出を削り取っているのに、感情を凄まじく動かす作品に仕上がってきます。
まさしく経験のなせる技。
イーストウッドのこの姿が、今作の機長とどんぴしゃりで重なります。

今作の舞台となるのは、2009年に発生した航空事故。
USエアウェイズ1549便が、ニューヨークマンハッタン区のハドソン川に不時着水するも、乗客が'奇跡的'に全員生還、両翼に大勢の乗客が立っている衝撃的な映像が思い出される、あの事故です。
今作は、ベテラン機長のサリーが悪夢で目がさめる、事故後から描かれます。

バードストライクによる両エンジン停止。
空港に帰着できないという判断により、機長判断でのハドソン川への緊急不時着。
世論にヒーローともてはやされる一方で、国家運輸安全委員会の調査により、「空港に帰還できたのではないか」と追及されます。
奇跡...ヒーロー...
これではまるで、無謀な事を挑戦したようではないか。
機長は自らの経験、鍛練に基づき、出来る事をやりきっただけです。
一方で、委員会の職員は、多方的な目線での原因究明という仕事をこなしてるだけですが、シュミレーションで少しずつ明らかになっていくのは、帰還可能たった可能性。
そんなはずはない...でももしかしたら...
無機質な聴衆と事故調査。
この二つが信念を不安定とし、機長を追い詰めていきます。

判断ミスでのニューヨーク大惨事の可能性。
そもそも判断ミスで、乗客の命を危険に?
まるで自己の経験や職務能力の否定。
つまりは万が一の操縦ミスも。
そして、もう一つ。
奥さんが思い出すのと同じタイミングで思い出すある事実。
考えてみてください。
彼も死を見た155人の一人なわけで...

あくまで事故後を中心に描いているのですが、
IMAXカメラで撮影された事もあり、航空シーンは非常にスリリングで見ごたえあります。
そしめその挟み込み方、時制の操り方が実に見事。
まずは冒頭の悪夢のシーンで、この作品の不安定さを作り出します。
そして、中盤での不時着シーン。
事故発生から、不時着、救助シーンを中心に、機長やキャビンアテンダント、航空管制官、乗客、消防士の群像を描きます。
このシーンが本当に美しい。
誰もがヒーローになりたいと思っている訳ではなく、目の前のやるべき事をやるだけ。
プロフェッショナルの集合が見せるニューヨークの良心のあまりの美しさに、涙が止まりませんでした。

そしてラストには操縦席をがっつりと、問題発生から不時着までのノーカット版で見せ、不安定さに対する答え合わせが行われます。
差し迫った状況の中での、これしかない機長の判断。
そして成し遂げてしまうプロフェッショナルな技術。
淡々とした演出なのに、ここでカタルシスが爆発します。

この映画を完璧と呼ばずに、何を完璧とするのか...
イーストウッド監督の集大成!
是非劇場で見てください!!
鬼オススメです。





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  1. 2016/10/06(木) 19:44:36|
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